米軍の防空ミサイル在庫が急減、中東情勢の長期化で抑止力維持に懸念

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イランとの軍事的な緊張が長期化する中、米軍の防空ミサイルを中心とした弾薬の在庫が大幅に減少していることが明らかになった。特に弾道ミサイルを迎撃するための主力システムである「パトリオット」や「サード(THAAD)」の弾薬消費が激しく、国防上の懸念が高まっている。多額の費用を要する防空ミサイルの急速な枯渇は、中東地域での安全保障環境だけでなく、米国の世界的な軍事的抑止力にも影を落とし始めており、軍指導部は極めて難しい対応を迫られている。

民間の研究機関がまとめた最新の分析によると、開戦前に約2,200発存在したとされる最新型のパトリオット迎撃ミサイルは827発未満にまで減少している。また、約452発保有していたサードの迎撃弾も278発未満まで落ち込んでいるという。これらは米軍が保有する基幹弾薬の6割以上がすでに使用されたことを示しており、政府内部のデータとも概ね一致しているとされる。長引く戦闘によって、米軍の防空能力の低下は避けられない情勢だ。

防空ミサイルの在庫不足は、中東以外の主要な紛争地域における米軍の展開能力にも直接的な影響を及ぼす可能性がある。防衛アナリストらは、東アジアや朝鮮半島といった他の重要拠点での情勢悪化に対し、十分な迎撃体制を維持することが難しくなると指摘する。海上自衛隊や他国海軍と連携する米海軍の艦船も広域防空能力を有するが、配置場所の制限などから地上基地や主要拠点を完全に保護するには限界があるとされている。

現場の指揮官らは、限られた迎撃ミサイルを無駄に消費しないため、運用方針の変更を余儀なくされている。無人地帯や被害が軽微と予想される地域に着弾する見込みの飛翔体に対しては、意図的に迎撃を見送る判断が下されるケースもあるとされる。過去の作戦では積極的な全数迎撃が基本とされていたが、深刻な弾薬不足に対応するため、着弾リスクとミサイルの残数を天秤にかける厳しい選択が行われているのが現状だ。

国防総省はミサイル生産速度の加速に向け、ロケットモーター製造企業との新規契約を結ぶなど対策を強化している。しかし、高精度な防空ミサイルは構造が複雑で製造工程も長いため、増産効果が実効的な数字として現れるには相応の期間を要する。専門家の見方では、減少した在庫を元の水準まで完全に補填するには数年の年月が必要不可欠であり、短期的な解決策を見出すのは極めて困難な状況となっている。

米政権および軍高官らは、必要な兵器の調達に向けた追加予算の獲得を目指し、議会への働きかけを強めている。軍の最高幹部は、要請している防衛予算の追加措置が認められなければ、必要な弾薬の確保が困難になると警告した。軍全体の運用能力自体は維持されているとの強調もなされているが、長期戦を見据えた資金調達と調達プロセスの根本的な見直しが強く求められている。

兵器在庫の枯渇問題をめぐっては、ワシントンの政界でも責任追及の論争が激しさを増している。現政権側は、過去の政権下における他国への軍事支援や調達手続きの遅延が現在の弾薬不足を招いたと主張している。これに対し与野党の議員からは、単一の政権の問題にとどまらず、防衛産業の生産基盤そのものの脆弱性や補給体制の不備が根本的な原因であるとの批判が相次いでいる。

中東での報復攻撃や緊張緩和に向けた交渉の行方が不透明な中、米軍は抑止力の維持と弾薬節約という二律背反の課題に直面している。大規模な作戦の拡大を一時的に見合わせる動きもみられるが、現地施設への攻撃が相次ぐ現状では完全な戦闘停止への道筋は描けていない。主要な防空手段が制約を受ける中、今後の外交交渉と軍事戦略の双方が大きな岐路に立たされている。

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