NATO変革司令官、欧米の兵器不足を警告 対ロシア防衛産業の抜本的再設計を訴える

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NATO変革作戦本部最高司令官を務めるピエール・バンディエ海軍大将(フランス)は、Fox Newsの取材に対し、ウクライナや中東での軍事衝突によって西洋諸国の兵器供給体制の課題が浮き彫りになったと警告した。同氏は、現在の西洋側の生産能力やコスト構造では、大規模な実戦で要求される消費ペースに対応しきれていないと指摘。現行の防衛モデルを見直し、産業基盤そのものを根本から再設計する必要があると主張している。

バンディエ司令官は、ロシア軍によるウクライナへの連日の攻撃や中東情勢の緊張により、パトリオットやTHAADなどの高度な迎撃ミサイルの需要が急増している現状に言及した。同氏は、年間に5万発のパトリオットミサイルを製造することはコストやサプライチェーンの観点から現実的ではないと分析。既存の高価格な兵器を増産して調達するだけの従来のアプローチでは、西洋諸国が直面している本質的な課題を解決できないとの認識を示した。

トルコのアンカラで開催されたNATO首脳会議では、加盟国が今後5年間で900発のパトリオット迎撃ミサイルを調達し、対ドローン防衛能力に400億ドル以上を投資することで合意した。しかし同司令官は、こうした調達計画だけでは不十分だと指摘する。高価な迎撃システムは弾道ミサイルなどの高度な脅威に温存し、飛来する無人機の群れに対しては安価で大量生産可能な兵器で対処する層状防衛の構築が必要不可欠であると訴えた。

今回の首脳会議でトランプ米大統領は、ウクライナに対してパトリオット迎撃ミサイルのライセンス生産を認める方針を表明した。しかしバンディエ司令官は、現在の西洋の兵器供給能力は過去の産業構造に依存しており、根本的な設計変更が欠かせないと強調した。実戦での圧倒的な消費量に対応するためには、開発の段階から大量生産を前提とした低コストな兵器システムの再設計を急速に進める必要があると述べている。

また同司令官は、対峙するロシア軍の適応能力の高さについても注意を促した。ロシア軍は戦場からの教訓を毎週のように反映させ、戦略や兵器の運用を柔軟に調整しているという。エストニアとロシアの国境に位置するペイプシ湖で行われたロシア軍の実弾演習では、ウクライナ型の水上ドローンに対抗する訓練が実施されたと見られている。軍事的な優位を保つためには、NATO側も適応のスピードを大幅に上げる必要がある。

対照的に、ウクライナ国内の防衛産業は戦況の変化に迅速に対応し、兵器の開発や改修を極めて短期間で行っている。バンディエ司令官によると、ウクライナの柔軟かつ迅速な兵器製造基盤は、これまで供給源であった欧米主要国の防衛産業に対して新たな速度感や開発指標を示しているという。最前線での実戦経験に基づいた技術革新が、軍事技術の未来における新たなトレンドを形成しつつあると同氏は評価した。

さらに、防衛課題はドローンや対空ミサイルにとどまらない。中距離核戦力(INF)全廃条約が失効したことで、欧州における中距離ミサイルの開発競合が再燃している。かつて同条約は射程500キロから5500キロの陸上発射型ミサイルを禁止していたが、2019年の失効以降、ロシアおよびNATO加盟国の双方が敵陣深小への打撃能力を高める長距離ミサイルの配備や開発を進めており、軍事的な緊張がさらに高まっている。

NATOが直面する防衛供給のギャップと兵器産業基盤の再構築について報じた本記事は、Fox Newsの報道に基づき作成された。ウクライナ戦線での教訓を踏まえ、欧米諸国が防衛生産のスピード感とコスト構造をどのように刷新できるかが、今後の国際秩序と抑止力の維持において決定的な鍵を握ることになる。

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