緊急先発のペレスが7回1安打の快投 試合直前の登板要請に応えブレーブスを勝利へ導く

アトランタ・ブレーブスはナショナルズ戦で8対3の勝利を収めたが、この試合で最大の注目を集めたのは急遽先発マウンドに上がったベテラン左腕マルティン・ペレスの好投だった。本来は翌日の試合に先発予定だったペレスは、試合開始直前に急きょ登板が決定したにもかかわらず、7回途中まで無安打無失点の快投を披露した。不測の事態に見舞われながらも見事な集中力を発揮した左腕の力投が、チームを価値ある勝ち星へと導く原動力となった。
アクシデントは試合開始の約1時間前に発生した。本来先発予定だったレイナルド・ロペスが試合前の準備中に左膝を痛め、登板不可能な状態となった。事態を把握したチームのトレーナーが急いで監督室に駆け込み、先発投手の変更が必要であることを伝えた。ロペスの負傷離脱はチームにとって大きな打撃となる恐れがあったが、翌日登板に向けてクラブハウス内で仮眠をとっていたペレスへ急きょ先発打診の声がかかることとなった。
投手コーチのジェレミー・ヘフナーからウォルト・ワイス監督の部屋へ呼ばれた際、ペレスは一瞬身構えたという。トレード期限が間近に迫るこの時期、試合直前に監督室へ呼び出される事態は他球団への移籍を意味することが多いためだ。ペレス自身もトレード通告を受けたのではないかと危惧したが、真相は同僚ロペスの怪我による緊急登板の要請だった。予期せぬ知らせに驚きつつも、ベテランは即座にマウンドへ上がる覚悟を決めた。
準備時間を確保するため、ワイス監督はオープナーを挟んでからの登板を提案したが、ペレスはその打診を辞退し、最初から先発投手としてマウンドに立つことを強く望んだ。登板準備に入るわずか数分前には家族へ緊急で電話を入れ、登板予定が突然変更になったため急いでスタジアムへ来るよう伝えたという。異例の状況にも冷静に対処した左腕は、特別な調整ルーティンを欠いたまま試合前のウォーミングアップへと向かった。
マウンドに上がったペレスは、緊急登板の不完全さを一切感じさせない圧巻の投球を展開した。序盤から制球が冴え渡り、最初の打者10人のうち9人を打ち取る立ち上がりを見せた。守備陣の不調による内野のエラーが出た場面でも動じることなく後続を断ち、4回から7回にかけては9打者連続で凡退に打ち留めるなど、ナショナルズ打線に付け入る隙を与えなかった。百戦錬磨のベテランらしい落ち着きが光るピッチングであった。
ノーヒットノーランの期待が高まった7回裏、2死から相手打者のブレイディ・ハウスにライト前へのクリーンヒットを許し、惜しくも偉業達成は潰えた。それでもペレスは7回を投げて被安打わずか1、6奪三振、無失点という極めて優秀な成績で降板した。7回突入時点で投球数はわずか59球と非常に効率的な投球を続けており、不測の事態での緊急登板としてはキャリアでも指折りの見事なパフォーマンスとなった。
今季のブレーブスにおいて、先発投手が7イニング以上を投げ抜いたのは今回のペレスの好投で通算10回目となる。これまでクリス・セール、ブライス・エルダー、JR・リッチーの限られた投手のみが達成していた長イニング消化を達成したことは、救援陣の負担軽減という観点からも非常に大きな意味を持つ。事前準備を奪われた状況下でのこの力投は、チームメイトや首脳陣からも絶大な称賛と信頼を集めることとなった。
ブレーブスはトレード期限を控える中、先発ローテーションの補強が課題とされていたが、ロペスの膝の負傷によって投手陣のやりくりはさらに厳しさを増している。その中で、招待選手からの這い上がりやDFA(戦力外手続き)を経ながらも今季97回3分の1を投げて防御率3.24と安定した数字を残しているペレスの存在感は際立つ。アクシデントを乗り越えて見せたこの日の快投は、先発陣の苦境を救う貴重な一戦となった。











